PENTAX Q 全てがこの手の中に

自分としては購入満足度が高いPENTAX Q。海外の素敵なレビュー記事を見つけました。
The Pentax Q Digital Camera Review  A pocket full of pixels!
Steve Huffさんというアメリカの写真家の方ですが、PENTAX Qで撮った写真が、ことごとく素敵です。そのカメラやレンズを使って現実の世界を撮った結果がどうなるかを見せるのがレビューの信条のようで、マネキンの画像を並べているようなレビューより、よほど参考になります。
PENTAX Qについて書かれている内容も自分の受けた印象に近く、すごく気に入っている感じが伝わってきました。他にも様々なカメラのレビューをしているので、気になるカメラがある場合は、彼のレビューを参考にするのもいいかと思います。

PENTAX Qの最大の魅力はなんといっても、この小ささと軽さ。以前、自分のブログでも書いたように、こいつの最大のライバルはiPhoneやスマートフォンを含むカメラ付きケータイ。PENTAX Qはコンデジセンサーを採用するという割り切りで、ライバルと並ぶサイズを実現しています。常に手元に置ける感じが大事なのです。
ボディとレンズ一式
展望台等の観光スポットで撮影しているときに周りを見ると、ほとんどの人がケータイで景色を撮っています。大雑把な感じですが、50人いると40人ぐらいはケータイで、8人ぐらいがコンデジで、2人ぐらいがデジイチを使っているような印象。Flickrで一番投稿に使われているカメラがiPhone4だったり、自分も使っているiPhoneアプリのInstagramのユーザー数が500万人を超えていたりと、ケータイで写真を撮ることが当たり前になっている今、写真を撮るという単機能だけのカメラにとっては厳しい時代となっています。

ただ、ケータイやコンデジで写真を撮っている人にも、もっときれいに撮りたい、もっと写真を撮ることを楽しみたいという潜在需要があったりするわけですが、黒くてごつい普通のデジイチだとちょっと自分には大げさかなと躊躇することも事実。今のミラーレス機の市場がそういう人たちの受け皿になっていたりするのですが、レンズ交換式のコンデジという思い切った手法で参入したのがPENTAX Q。レンズ交換できるのに小さくて軽く、毎日気軽に持ち出せますよ、というのがPENTAXからの回答ではないかと思います。
ボディとレンズ全部でも412g
今のところ、Qマウントのレンズは5本ですが、ボディも含めた合計の重さは412g。デジイチのちょっとしたレンズ一本を持ち出す感覚で、気軽にシステム一式を持ち出せます。


例えば、この動画、仕事の都合で土日に休出した際、通勤カバンにPENTAX QとマンフロットのModopocket797を忍ばせ、会社帰りに六本木ヒルズと渋谷に行って撮影したものだったりします。
K-5や5D2だったら、こんな使い方をしようとは思いません。

購入前に気になっていた静止画の画質は、コンデジセンサーの限界か、等倍で見ると遠景の解像感はいまいちですが、これ以外で自分として不満に感じる点はありません。今まで使ったことがあるコンデジはRICHO CX1やSONY HX5Vぐらいですが、1ランク上の画質です。正直、想像以上でした。
01 STANDARD PRIME/Auto110モード
葉っぱ等に生えた毛がちゃんと写ってる
K-5や5D2を使う場合は、RAWで撮ってLightroomでプリセットを使って現像という流れでしたが、PENTAX Qの場合、自分の現像テクニック程度では、JPEGで撮るかカメラ内現像を使ったほうが、解像感がありノイズが抑えられた画像を得ることができます。K-7のダメダメセンサーで苦労したPENTAXの技術者のノウハウの賜物ではないかと思います。

単に写真を撮るだけでなく、そこに自分のイメージを反映させたい人には、スマートエフェクトやデジタルフィルターが強力にサポートしてくれます。

スマートエフェクトは撮影時に前面のダイヤルで選択できるようになっていますが、自分としては、ハードモノクロームとAuto110モードを結構使いそうです。あとは、ランダムに色調が変わるクロスプロセスもお勧めです。

シャッター切るたび画調が変わる PENTAX Q のランダムなクロスプロセスが楽し過ぎるのだ
見慣れた風景も、新鮮に感じることが出来ると思います。
02 STANDARD ZOOM/ハードモノクローム
物のカタチを表現したいときに
01 STANDARD PRIME/Auto110モード
ちょっと懐かしい感じ
また、これまでのPENTAXのカメラと同様に、カメラ内現像とデジタルフィルターの重ねがけができるので、こんな風に自分のイメージに合わせて絵を作り出すことができます。
02 STANDARD PRIME
普通に現像
02 STANDARD ZOOM
銀残しで現像
ハイコントラスト+シェーディング+カラーのデジタルフィルターを追加
ユニークレンズは、
03 FISH-EYE
04 TOY LENS WIDE
05 TOY LENS TELEPHOTO
の3本がありますが、やはり面白いのはFISH-EYE。
03 FISH-EYE
渋谷のスクランブル交差点
TOY LENSは周辺光量落ちを期待していたのですが、普通の写りでちょっと残念でした。
各レンズの比較はjetdaisukeさんのブログが参考になります。
PENTAX Q トイレンズ比較 魚眼/広角/望遠
ユニークレンズは全てMFなのですが、背面液晶で拡大表示をしてもピントが合わせづらい。なお、拡大表示をするMFアシストという機能は、初期設定がオフになっているのであらかじめ拡大率を設定しておきましょう。

これまでPENTAX Qでも微速度撮影を試してみましたが、あくまでも微速度撮影でメインで使うのはK-5や5D2です。人が行き交う通路や駅のホーム等、自分が今まで撮影対象としてこなかった場所での微速度撮影に、PENTAX Qの小ささのメリットが生かせると思っています。この動画で、桜木町駅のホームで撮影したシーンがあります。



デジイチの機能を世界最小、最軽量のボディ詰め込んだPENTAX Qは、現時点では唯一無二の存在ですが、レンズ交換式のコンデジに55,000円以上の価値を見出せるのかは人それぞれ。

「自分の見ているものをそのまま忠実に写し撮るのが写真」と考え、等倍での解像やレンズの収差を気にするような人はPENTAX Qを買うべきではありませんし、大きさを除けば他にいくらでも選択肢がありますので買おうとも思わないでしょう。

この凝縮感溢れるボディがたまらなく魅力的に見える人、コンデジやiPhone+Instagramで写真の楽しみを覚えてデジイチも気軽に持ち歩きたいという人、また、デジイチのサブとして、というのが主な購入層だと思います。
03 FISH-EYE
明日の神話
とにかく、使っていて楽しいカメラであることは間違いありません。
スマートエフェクトがかけられた世界を背面液晶から覗き見る感覚は面白いですし、帰りの電車の中でちまちまとRAW現像したり、フィルターを追加したりと楽しい時間を過ごせます。
PENTAX Qは、新しい何かを感じさせてくれるカメラです。

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