自分が微速度撮影動画の制作を始めるきっかけとなった、Tilt shiftレンズを使用した撮影方法です。いろいろ思い入れがあるため、撮影方法以外の記載のほうが多くなっています。
■どうしてミニチュアっぽくなるのか
日本でもUNIQLOカレンダーで使われていたり、デジカメでもジオラマ、ミニチュアといったフィルターが用意されていたり、iPhoneアプリなんかもあったりして、かなりメジャーな表現方法のひとつとなっています。海外ではTilt shift miniature fakeと呼ばれ、世界的に有名なのは、オーストラリアのKeith Loutit氏。最初にちゃんとした動画として制作したのはこの方なんじゃないかと思います。
我々がものを見るときは、網膜に届いた映像をそのまま見ているわけではありません。脳内で過去の経験や学習によって得られた様々な処理を経た上で、映像を認識しています。つまり、「この場合、前はこうだったから、今もこう見えるだろう」というフィルターを通して見ていることになります。
レンズをティルトさせると浅い被写界深度の映像が得られます。ピントの合う範囲が狭く見えると人間の脳は過去の経験から、これを遠くのものではなく近くにあるものだと判断してしまいます。このため、ミニチュアっぽく見えてしまうようです。
■最初のミニチュア風動画を作るまで
自分がミニチュア風動画を最初に目にしたのは、おそらくmockmoonさんのTokyo Minatureシリーズ。ジオラマ化した東京という今までに見たことのない映像は、自分も撮ってみたいという衝動に駆られるほどインパクトのあるものでした。でも、船の科学館から撮影した、お台場ガンダムが出てくるこの映像が一番好きだったりします。
その頃は、微速度撮影って何?状態だったためmockmoonさんのブログを見たり、いろいろとググったりすることから始め、とりあえずはティルトのできるレンズを手に入れれば何とかなりそうだということが分かりました。
当時使っていたのはPENTAX K-7で、mockmoonさんが使っていたARAX35mmというウクライナ製のレンズなら、Kマウントでも使えることが分かり購入。ちなみに、ARAX35mmの公式ページには、知らないうちに自分の動画が貼られていて、ちょっと嬉しいです。また、ヤフオクでPentacon Six用のTiltアダプターと、BIOMETAR 80mmをゲットしてレンズの準備は整いました。
最初に撮影を試したのはサンシャイン60だったのですが、初めてのことだったので何枚撮ればいいのかも分からない状態で、動画にしようにも全然枚数が足らず失敗に終わりました。まともに動画として作れたのは、次の横浜ランドマークタワーでの撮影です。
まだ、NDフィルターでシャッタースピード調整をしておらず、ただLow連写しているだけ。また、映像の色などもLightroomでコントラストと彩度を上げた画像にしてそれっぽい色にしているだけですが、素人が初めて作った微速度撮影動画にしては、なかなかの出来じゃないかと思いますw
その約一年後に制作したのが、この動画です。
冒頭のシーンは、同じ観覧車を撮っていますが、5D2を使うことでARAX35mm本来の画角となり、映像の雰囲気も違うように感じると思います。
■ミニチュア動画のの撮影方法
最近は、
チルトシフトスタジオ
ISP Film Color Miniature FREE
といった、ミニチュア風に加工する専用ソフトやプラグインなどがあるので、これを使うのもひとつの方法です。自分も試したことがあったのですが、ちょっとしっくりきませんでした。
レンズの入手
ちゃんと撮ってみたい方は、まず、レンズの入手が必要です。ARAXの35mmは$670で52,990円。Pentacon SixのTiltアダプターは、$125で9,882円。いずれも7/20の為替レート79.09円での計算です。円高のうちに買っておきましょう。BIOMETARの80mmはヤフオクで22,000円程度のようです。
レンズにはTilt角度を変化させる仕組みがあります。ARAX35mmの場合、上に伸びているノブを回すことで角度を変えます。
Tiltアダプタの場合はリングを回すことで角度を変化させます。
いずれも、レンズの先端が上向きになる(逆アオリ)ように、角度を付けます。
撮影時の設定
Tilt角は6~7度で使用しています。最大8度までいけるのですがここまで角度を付けると、特に夜景で周囲がボケ過ぎるように感じます。実は、どの角度が適切なのか、いまだに分かっていません。
また、ARAX35mmはシフトもできるのですが、これは使っていません。
レンズの絞りは5D2だとF5.6以下、APS-CのK-5やKiss X4だとF4以下にしています。ARAX35mmの場合、開放だとソフトフォーカス気味になります。
次に、ライブビューを覗きながらピントの位置を決めていきます。注目させたい場所や動きのある部分にピントを合わせます。
また、撮影は展望台からとなることが多くなりますが、ガラスからの照明の反射を防ぐために、サンバイザーを用意して、照明の映り込みを防ぐことをお勧めします。これは、mockmoonさん直伝です。せっかく時間をかけて撮ったものが、ガラスからの映り込みで台無しになるほど悲しいことはありません。
後は、NDフィルターなどでシャッタースピードを0.5秒や1秒に調整して、連写するだけです。
ARAX35mmのフィルター径は62mm、BIOMETAR80mmのフィルター径は58mmなので、58mm→62mmのステップアップリングを買って、62mmのNDフィルターを兼用して使っています。
撮影はお天気の良い日を選びましょう。やはり、太陽の光があるとないとでは映像の印象がかなり違ってきます。
晴れた日の東京タワーから
曇った日の貿易センタービルから
■どうしてミニチュアっぽくなるのか
日本でもUNIQLOカレンダーで使われていたり、デジカメでもジオラマ、ミニチュアといったフィルターが用意されていたり、iPhoneアプリなんかもあったりして、かなりメジャーな表現方法のひとつとなっています。海外ではTilt shift miniature fakeと呼ばれ、世界的に有名なのは、オーストラリアのKeith Loutit氏。最初にちゃんとした動画として制作したのはこの方なんじゃないかと思います。
六本木ヒルズの展望台から |
横浜ランドマークタワーから |
■最初のミニチュア風動画を作るまで
自分がミニチュア風動画を最初に目にしたのは、おそらくmockmoonさんのTokyo Minatureシリーズ。ジオラマ化した東京という今までに見たことのない映像は、自分も撮ってみたいという衝動に駆られるほどインパクトのあるものでした。でも、船の科学館から撮影した、お台場ガンダムが出てくるこの映像が一番好きだったりします。
その頃は、微速度撮影って何?状態だったためmockmoonさんのブログを見たり、いろいろとググったりすることから始め、とりあえずはティルトのできるレンズを手に入れれば何とかなりそうだということが分かりました。
当時使っていたのはPENTAX K-7で、mockmoonさんが使っていたARAX35mmというウクライナ製のレンズなら、Kマウントでも使えることが分かり購入。ちなみに、ARAX35mmの公式ページには、知らないうちに自分の動画が貼られていて、ちょっと嬉しいです。また、ヤフオクでPentacon Six用のTiltアダプターと、BIOMETAR 80mmをゲットしてレンズの準備は整いました。
最初に撮影を試したのはサンシャイン60だったのですが、初めてのことだったので何枚撮ればいいのかも分からない状態で、動画にしようにも全然枚数が足らず失敗に終わりました。まともに動画として作れたのは、次の横浜ランドマークタワーでの撮影です。
まだ、NDフィルターでシャッタースピード調整をしておらず、ただLow連写しているだけ。また、映像の色などもLightroomでコントラストと彩度を上げた画像にしてそれっぽい色にしているだけですが、素人が初めて作った微速度撮影動画にしては、なかなかの出来じゃないかと思いますw
その約一年後に制作したのが、この動画です。
冒頭のシーンは、同じ観覧車を撮っていますが、5D2を使うことでARAX35mm本来の画角となり、映像の雰囲気も違うように感じると思います。
■ミニチュア動画のの撮影方法
最近は、
チルトシフトスタジオ
ISP Film Color Miniature FREE
といった、ミニチュア風に加工する専用ソフトやプラグインなどがあるので、これを使うのもひとつの方法です。自分も試したことがあったのですが、ちょっとしっくりきませんでした。
レンズの入手
ちゃんと撮ってみたい方は、まず、レンズの入手が必要です。ARAXの35mmは$670で52,990円。Pentacon SixのTiltアダプターは、$125で9,882円。いずれも7/20の為替レート79.09円での計算です。円高のうちに買っておきましょう。BIOMETARの80mmはヤフオクで22,000円程度のようです。
5D2+ARAX35mm |
Kiss X4+Tiltアダプター+BIOMETAR80mm |
アダプターの裏側に角度の目盛がある |
撮影時の設定
Tilt角は6~7度で使用しています。最大8度までいけるのですがここまで角度を付けると、特に夜景で周囲がボケ過ぎるように感じます。実は、どの角度が適切なのか、いまだに分かっていません。
また、ARAX35mmはシフトもできるのですが、これは使っていません。
レンズの絞りは5D2だとF5.6以下、APS-CのK-5やKiss X4だとF4以下にしています。ARAX35mmの場合、開放だとソフトフォーカス気味になります。
次に、ライブビューを覗きながらピントの位置を決めていきます。注目させたい場所や動きのある部分にピントを合わせます。
また、撮影は展望台からとなることが多くなりますが、ガラスからの照明の反射を防ぐために、サンバイザーを用意して、照明の映り込みを防ぐことをお勧めします。これは、mockmoonさん直伝です。せっかく時間をかけて撮ったものが、ガラスからの映り込みで台無しになるほど悲しいことはありません。
サンバイザーをクリップなどで留めて使う |
ARAX35mmのフィルター径は62mm、BIOMETAR80mmのフィルター径は58mmなので、58mm→62mmのステップアップリングを買って、62mmのNDフィルターを兼用して使っています。
撮影はお天気の良い日を選びましょう。やはり、太陽の光があるとないとでは映像の印象がかなり違ってきます。
晴れた日の東京タワーから
曇った日の貿易センタービルから
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