5D Mark IIIでMagic LanternのRAWビデオを試す

5月に入った頃からEOSHDあたりで取り上げられ始めたMagic LanternでのRAWビデオ撮影。Full HDでの24p出力が可能となったとのことで、試してみました。
5D3の通常の動画撮影と比較して、最も大きな違いは映像の解像度です。日本丸のマストを撮影した通常の動画とRAWビデオの映像から100%で切り出したものが下記になりますが、レーダーの傘の網目、ロープやチェーン、折りたたまれた帆、背景のランドマークタワーの壁の質感に明確な差があります。5D3を購入後、動画の解像感に進歩がないことに失望してから約1年、ようやく期待するものにめぐりあえました。
通常の動画撮影での出力
RAWビデオでの出力
Magic Lanternの導入と基本的な手順についてはEOSHDの
Easier 5D Mark III raw guide in 4 steps
が参考になります。注意すべきなのは5D3のファームウェアを1.1.3にする必要があること。
なお、自分の場合は5D3のダブルスロットを生かして、SDカードにMagic Lanternを入れ、CFをデータ専用として使っています。

RAWビデオ撮影時の具体的な設定と手順は下記のMagic Lanternのフォーラムのトピックが参考になります。
How to: -- RAW VIDEO ON 5D3 --

映像データの書き出しについてはバッファのチューニング中であり、フレームドロップを起こさないためには高速に書き込めるCFが必要です。1920x1080のFull HDで24pで書き出すためには1000x、UDMA7クラスのCFとなりますが、Lexarの1000x 64GBで3万円台、TOSHIBAの1066x 64GBで5万円台の価格です。なお、データも大容量となり、18秒程度の撮影で1.5GB程度の容量となります。長時間撮影はできません。

まず、横浜のみなとみらい近辺で撮影を試しましたが、
・カメラの電源ON後、2、3回目あたりまではフレームドロップが発生しやすい。
・通常の動画と切り替えて撮影した場合にフリーズ。→バッテリーを抜いて回復。
・CFに記録したデータが多いと、一旦、カメラから抜いて戻した場合にアクセスランプの点滅が止まらなくなる。
といった現象に遭遇し、なかなか一筋縄ではいかない感じでしたが、幸いにもファイル破壊等によるデータのロストはありませんでした。

撮影したデータの処理にはいくつか方法があるのですが、自分の場合はRaw2Dngで1フレーム毎のDNGフォーマットに変更後After EffectsでCamera Rawシーケンスとして読み込み、各シーケンスをひとつひとつコンポジションにして、Premiereに読み込むという地味な作業を繰り返した後に編集するというやり方にしています。

After Effectsで読み込み時にCamera Rawでの調整となるわけですが、通常のRAWデータの現像と同様に各パラメータを調整可能となり、この点も通常の動画撮影との大きな違いです。Black Magic Pocket Cinema Cameraの7月の発売も待ち遠しいですね。
Camera Rawの現像画面
編集した動画はとりあえずvimeoに置いてあります。
EOS 5D MarkIII Magic Lantern raw video test YOKOHAMA
camera : Canon EOS 5D MarkIII
lens : Canon EF24mm F2.8
lens : Canon EF50mm F1.8 II
music : 10 Autumn Reflections by Ken Verheecke
http://www.jamendo.com/en/track/948544/ken-verheecke-autumn-reflections-10-autumn-reflections

逆光気味の撮影でも空が白くつぶれない
夜の闇が迫る山下公園
赤レンガ倉庫では壁にクジラを投影
ボケボケで撮ってみる
観覧車のワイヤーも確認できる
象の鼻のあたり
大さん橋の入り口あたり
みなとみらい駅へ向かう

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